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ある日突然、銀行強盗を始めてしまう年老いた夫に、驚き戸惑いながらも、結局、妻も一緒に強盗行脚。
って内容は、衝撃的でインパクトがあるように思えるけれど、ハンガリーを舞台とした作品なんで、どこかのんびりと、どこか寒々と、どこかゆったりと、不思議な感覚に襲われます。
そう、なんか、とっても、しみじみと、なんかとっても、あっさりと、「年金だけじゃ生活できないよ」と強盗を繰り返していく老夫婦の描写は、何故か若々しく見えてきたりするところも、面白いです。
映画の冒頭で紹介される若き日の二人の出会いは、戦時下の緊迫した状況でのもの。
ここでのイヤリングのエピソードが、お話の中では、大事なモチーフとして使われます。なんか、ちょっと、胸が熱くなったりします。
老人版『俺たちに明日はない』なのかなあ・・・。
でも、この作品では、冒頭の出会いの描写以後は、老齢になるまでの説明は殆ど出てきません。「今」を生きる二人なんですね。だから、若者は殆ど登場しません。その点でも、華やかさは全く無しなんですが、それでも面白い映画なんです。
で、ラストは、壮絶な・・・・(?)
隣の席の人は、思わず涙を流していました。でも、私は「まだ早いよ、車の中のアップが、なかったじゃん」などと、悲しいかな冷静に、観てました。やはり、ここは素直に涙を流すべきなのかなあ・・・。
だって、この老夫婦、第2次大戦下を生き延びてきたんだよ。したたかさは、若者には負けない。
二人の芯の強さが、ずっと画面からは漂っていたもん。
そうでしょ、おじいちゃん、おばあちゃん、そうだよね。そうであってほしいよね。
人生に乾杯! (2007) 予告編 KONYEC Trailer
いい作品だと思います。こういう、日本やアメリカ以外の国で作られた作品に触れられるのも、映画の楽しみですね。