
いきなり、冒頭の導入部からハイテンポ、ハイテンション。登場人物設定をミュージカル仕立てで見せてくれる。
とにかく観客に余計なことを考える余裕を与えないほどの強引さは、新鮮ですらあるけれど、有無を言わせずの展開に、思わず、「ちょっと、待ってよぉ」なんて、言いたくもなる。
で、導入部だけかと思えば、少しテンポは落ちるが作品全体も、かなりハイテンポ、ハイテンションのまま続く。
まっ、小学生だと、「元気で明るく、何事にも積極的なのは、大変良いと思いますが、少し落ち着きがないようです」って、書かれそうな雰囲気には違いない。
細かいことは気にせず、一気に物語を進めていく監督のセンスは、とても面白いと思います。

偶発的な事故で大家さんを殺してしまった、結婚式前日の上野樹理演じるOLと、何故か全く人物説明はないけれど、とにかく自殺をしたいのに、運悪く(?)自殺が成功しない、木村佳乃演じる"謎"の女が、大家さんの死体処理に奔走するのが、この作品のメインのお話。
ということで、真面目にお話が語られるわけがないのは明白で、いかにストーリーが面白おかしく展開していくかが勝負でもあるわけですね。
つまり、コメディのセンスが「命」の作品でもあるわけです。
映画的というよりは、監督のコメディ・センスは、テレビ的だったり舞台的だったりするんですが、面白ければいいんじゃない・・、って私も思います。
ドタバタなのにハイ・テンポ、細かい部分で、かなり遊んでいるというか、ふざけていて、そこがなんとも好感が持てる、いや、かなり可愛いです、監督の感覚が (^^ゞ
それに、どこか懐かしい野暮ったさも微妙にブレンドされた、不思議に楽しい作品でした。
映画『キラー・ヴァージンロード』予告